こんにちは。
右京の魅力発信事業編集部です。
本日は退蔵院さんのお話です。
興味深い内容で、読み応えのある記事ですね。
蘭世さんからの紹介です。
蘭世です。朝と夕が涼しくなってきてやっと遅めの秋が始まったという感じですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
先日子供の学校で保護者向けの講演会がありまして、登壇者の退蔵院松山副住職のお話を聴き、感銘を受けました。生きる意味が分からなくなった学生の話がありまして、その子がお寺に通って松山副住職と心を通わせていくうちに、気力を取り戻していくというものでした。閉ざされた子供の心を開かせるお寺とは?取材をお願いしました。
退蔵院さんにお邪魔しましたのは、爽やかな秋晴れの11月3日。お話を伺ったのは事務職員さんです。美術館にお勤めだった事もあり、芸術的観点からのお話も伺うことができました。
では、ご紹介して参ります。先ずは、食いしん坊の私らしく順路を飛ばしてお茶室を目指しました。「大休庵」と名付けられたお茶席でお庭の緑を眺めながらゆっくりとお抹茶をいただけるのです。お茶菓子は禅寺らしく「是什麼(これなんぞ)」と名付けられ、退蔵院オリジナルのもので老松さんが作っておられるそうです。粒あんのお菓子なのですが、中身のドライフルーツが春夏秋冬で変わる仕掛けが。(*1)召し上がられた方は、売店の方に答えを聞いてみてください。結構難し目です(汗)。
お茶席を後にして、「余香苑」に移動しました。こちらの庭園は元々あった竹林に花が咲いてしまったことを機に、先代の住職が造園家の中根金作氏と、3年掛かりで完成されたものです。春には桜、夏には蓮、秋には楓、冬の雪。一年を通して見どころがあり、昭和の名庭と謳われるお庭です。
私が訪れた時はちょうど紅葉が色づき始めた頃。11月の中旬から12月の初旬が紅葉が最も美しい頃なので、どうぞ皆様お出かけくださいませ。
水琴窟も見つけましたので録画してみました。音に癒されます。先ほどの「余香苑」でも池に配置された小さな滝の音がとても心地よかったです。
※動画は、インスタグラム(11月8日投稿)でご覧ください。
本堂「方丈」へ。応仁の乱後、1597年に再建されたという。宮本武蔵が修行をしたなんて、歴史の中に私自身もタイムトリップしたような気分になりました。こちらに上がらせていただいて、国宝「瓢鮎図」のレプリカを拝見します。現物は京都国立博物館に保管してあります。この水墨画は日本最古のものと言われ、「小さな瓢箪で大きなナマズをいかに捕えるか」という禅の問答「公案」を絵に表したものです。上部に京都五山の高僧31人の回答が並んでいるのですが、写真が上手く撮れなかったのでどうぞ現地でご覧ください!!
その奥が、「元信の庭」になります。職員さんもお薦めの枯山水庭園。こちらは、室町時代の画聖・狩野元信が作庭したもので、庭の背景に常緑樹を主に植えて一年中変わらない「不変の美」をテーマにしたと言われているそうです。またもや室町時代という歴史ワードが飛び出して、何年前のこと?と頭がクラクラしました。やはり、京都ってすごい。
専用のお座布団を使わせていただいて、坐禅を組みながら心を静めてお庭を眺めます。日常生活から感情を切り離して、自分を浄化しているような気分になれました。室町時代から変わらないであろう風景が、私も歴史の一部であるとそう感じさせてくれますね。お庭に配置されている石には割れ目があったりしますが、これは雨や風による侵食で、これも時間の経過の長さを体感できる一つです。
職員さんからの情報で、こちらのお庭には周りに竹が配置してあるのですが、この竹、風が吹くとサラサラと音がします。水のないこの庭に川のせせらぎをもたらしているものなのです。美を求める意識の高さに驚愕しました。
☆観光客の方にも少し話しかけてみました☆
岐阜から来られた方は、妙心寺の涅槃堂への納骨の帰りでした。お庭を眺めながらゆっくりお茶をいただけて癒されたと喜んでおられました。
外国人の男性が一人でおられたので声をかけてみました。デンマーク人で、以前は日本に住んでいて今回はツアーガイドで来られたそうです。「あなたはなぜここに来ましたか?」と、尋ねますと、「25回以上も来てる。ここは静かで心が落ち着くんだ。ベストだ。」と、おっしゃっていました。
職員さんによりますと、拝観時間スタートに合わせて一番に入ると、よりゆったり見学できるとのこと。私は朝だけでなく時間の経過した夕方も素敵だろうと思ったので、再入場を利用して、一日二回、時間をおいて訪ねるという楽しみ方もアリだと思いました。
*1:お抹茶とお茶菓子のセットは500円。‘24年1月から700円になります。お茶菓子は完全オリジナルで6個1500円で販売もしています。品切れの場合あり。
妙心寺 「退蔵院」
住所:京都市右京区花園妙心寺35
電話:075-463-2855
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