右京八景ライターの清水一照です。
右京区に生まれ育った私がオススメしたい右京区の歴史的な魅力を記事にしてご紹介していきたいと思います。
「蚕ノ社(かいこのやしろ)」として有名な「木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたま)」という一度聞いただけでは絶対に覚えられない神社をご紹介します!
木嶋坐天照御魂神社(以下木嶋神社)は蚕ノ社と通称されていますが、境内にある養蚕神社が由来で、渡来人集団秦氏(はたうじ)が養蚕技術を日本に伝えたことにルーツがあるそうです。
10世紀前半に編纂された延喜式神名帳という神社名鑑にも名神大社という全国トップクラスの扱いをされている木嶋神社木嶋神社の御祭神は、天之御中主神、大国魂神、穂々出見命、鵜茅葺不合命、瓊々杵尊という5柱で、創建はあまりにも古すぎてわからないですが701年より以前からあるそうです。右京区の中でも最古級の歴史スポットであり、ミステリーがいっぱい詰まった神社です。
そして木嶋神社、最大の特徴といえば「三柱鳥居」という全国でもここでしかみられない特殊な鳥居が立っています。
様々な解釈がありますが、木嶋神社さんの解説によると原始キリスト教の一派、ネストリウス派(景教)が中東、中国から日本に伝わり、三位一体を表すから三本足の鳥居となったとされます。かつては3面それぞれから夏至や冬至の太陽、神聖視されている愛宕山や双ヶ丘などをここから遥拝できたそうです。
残念ながら現在では柵越しに拝見するのみとなっていますが、木々の隙間から差し込む光が三柱鳥居に当たり大変神秘的な様子が見れます。
今は枯れていますが、昔は綺麗な湧水が鳥居の周りを囲み、手前にある心身を清める為の禊(みそぎ)を行うプールまで水が満たされていました。このプールは景教や原始キリスト教の洗礼施設と酷似しており、下鴨神社の糺の森の古代祭祀跡にも同様の施設があったりと大変興味深いものです。
つい古い時代の人は非科学的で文明的で無いと思い込んでしまいますが、太陽や地理的知識を反映した祭祀や現代でも通じる養蚕技術の知識などを持っていたことがこの神社を訪れて感じました。
右京区には知れば知るほど魅力的な歴史的スポットが溢れていますので是非とも多くの人に触れてもらいたいです。
アクセス
嵐電 蚕の社下車徒歩5分
JR太秦駅下車 徒歩15分
清水一照
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