普段は建築設計事務所を営んでおります我々が右京区で一番好きな建築を任期最後に取材させていただきました。
場所は「高山寺」です。平成六年に「古都京都の文化財」として世界文化遺産にも登録されている京都市を代表する場所となっております。
また高山寺の宝物の中で最もよく知られている「鳥獣人物戯画絵巻」からご存じの方も多いかもしれません。
今回記事にする建物は高山寺の境内の中の「石水院」です。
高山寺は「明恵上人」が後鳥上皇よりこの地を与えられ「日出先照高山之寺」の勅使を賜り創建されました。当時は全国から僧侶の方が集まる日本有数の規模の仏教大学であり、当時は境内に十ヶ所以上のお堂が立ち並んでおったようですが、明恵上人が実際に使っていた建物としては「石水院」は唯一奇跡的に現存している鎌倉時代(800年前)の建物です。
創建された「明恵上人」は縄床樹と名付けた赤松の坐禅所を好み、深い自然の中で没入されていたとされ、人物画は通常は人の姿しか描かれませんが自然の共に描かれることに感銘を受けます。
建築として寝殿造となり当時の木材もまだ部分的に残っている貴重な建築です。
たとえば床板では屋久杉が使われており通常は一間(約2m)の材料ですが、こちらは二間(約4m)となっており木目も4枚のみは当時の木目を現す屋久杉らしい荒々しくも品のある木目を見ることができます。
天井には元々は屋根の野地材で使われていた材料を昭和の改修で化粧材と転用した高野山の高野槇が使われており、年輪から推測すると樹齢1000年以上と推測される大変貴重な材が使われています。
建築空間としては外に接する三面はすべて格子になっていて、障子といった閉じるための装置は一切ありません。風が走り抜け空間が透けに透けていくような感覚になります。化粧垂木の庇はかなり深く周囲の山の頂きや空は見えず、視線が水平に引っ張られて見渡す感じになります。
「開く」ことで空間の奥行きを最大限有効につくりだし、日本建築の奥行きの真髄を教えてくれる大好きな建築です。
高山寺の魅力はまだまだ語りきれませんが今回は「石水院」をご紹介させていただきました。
四季折々で様々な表情を見せてくれる高山寺に是非訪ねられてはいかがでしょうか。
宇治川大園建築設計事務所
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