京都市内には『源氏物語』の舞台となった場所が数多く存在し、平安時代の遺構や遺物が発掘調査等で多数確認されています。『源氏物語』では華やかな恋模様が描かれる一方、仏に祈りをささげる場面も多く、都を離れた山寺が物語の舞台となるシーンもあることから、平安貴族の仏教思想が山林と深く結びついていたことがうかがえます。
今回は、源氏物語の世界とその作者である紫式部が生きた時代を彷彿とさせる遺跡から出土した遺物を展示するとともに、平安貴族が山中に求めた仏教思想に注目し、平安京と周辺の山林寺院から発見された仏教関連資料を紹介します。
<主な展示内容>
・第1部「源氏物語の世界」
源氏物語の舞台となったゆかりの地と関連のある平安時代の遺物の展示に合わせて、最新の調査成果等を紹介します。
豊楽院跡、西鴻臚館跡、雲林院跡 等
・第2部「平安への祈り」
京北に残る平安時代の仏教関連資料を紹介するとともに、平安京とその近郊の山林寺院に関連した調査の出土遺物を展示します。資料の一部は初めての公開です。
花脊経塚、如意寺跡、愛宕山遺跡、木造千手観音立像※パネル展示 等
このほか、京都市内47箇所に設置している「源氏物語ゆかりの地」説明板のうち、令和5年12月に新たに設置・内容を充実した10基も紹介予定です。