山田大地です。
立命館大学産業社会学部 小澤亘ゼミ・高嶋正晴ゼミ有志の学生さんから嬉しいお知らせです!「まちづくり支援制度」を活用して誕生した商品「京北りつけもん」の売り上げから右京ファンクラブに、ご寄付をいただきました。
右京には、区内の企業の皆さまによる協賛金や、グッズの売り上げを原資として、まちづくりをオール右京で支える組織「右京ファンクラブ」があります(この「右京ファンクラブねっと」もその協賛金によって運営されています)。
「地産地消」の普及と地域観光の推進をゼミのテーマとする立命館大学産業社会学部 小澤ゼミと高嶋ゼミ有志のみなさんは、京北で生産された「黒豆」と「大根」を龍安寺に店舗をかまえる「京つけもの富川」さんにて加工し販売することで、龍安寺商店街の活性化と右京区内の地産地消の推進をすすめられてきました。
学生さんは、商品開発、作物の生産、漬物への加工、そして店頭での販売、また商店街で右京の食材を用いたお店を紹介するパンフレットの作成と配布を、それぞれのプロの方のもと実際にすべて体験することをつうじて、右京の魅力発信に取り組んでこられました。
このたび、そうして完成した商品「京北りつけもん」の売り上げから、まちづくり活動の原資となる「右京ファンクラブ」にご寄付をいただきました。
地域の課題を解決しながら、つぎのまちづくりにつながるバトンがわたっています。
以下は、開発した学生さんのレポートです。
地産地消による地域活性化を目指した学生たちのアクション~右京どぼづけプロジェクト~
2016年11月20日、龍安寺道商店街秋祭りで「京北りつけもん」が初めて販売されました。これは、右京区まちづくり推進プロジェクトの一環として、立命館大学産業社会学部小澤ゼミ、京つけもの「富川」、そして、京北の上野農園が協力して開発・制作した京漬け物の新しいブランドです。そして2017年度からは、2016年度から引き続き、上野農園の協力によって生産した丹波黒豆、ゆず大根を使って2種類の漬物の生産・販売を行いました。特に、黒豆を使った「京・丹波黒豆漬け」は、開発から商標登録、百貨店や龍安寺商店街での販売を学生主体で行い、また、「京北りつけもん」の売り上げ金の3%は京都市まちづくり支援金に寄付するなどの、「地産地消」による地域活性化の推進を目指して活動してきました。
「地産地消」とは、その土地で生産されたものを、その土地の食文化により調理し、地元で消費することです。生産者と消費者の距離が近づくことで、安心感や地元への愛着心が生まれる、輸送コストが抑えられる、環境負荷を減らすことができる、などの多くのメリットが伴います。
「京北りつけもん」の由来
大学発ブランド「京北りつけもん」の名前は、「立命館」と「漬物」を掛け合わせたものです。
京北・上野農園での野菜の栽培・収穫
野菜の栽培は、京都市右京区京北塩田町の上野農園にご協力いただきました。京北は立命館大学衣笠キャンパスから車で1時間ほどの自然溢れる京都市右京区の中山間部の農業地域です。
5月、上野ご夫妻のご指導のもと畑を耕す作業から始まりました。初めての農作業に身も心もヘトヘトに。農家のお仕事の大変さを実感しました。
6月、マルチシートを張り、苗を植える部分に穴を開け、黒豆と大根の苗を植えます。黒豆の苗は非常にデリケートであることから、苗に負担を与えない様に、石などを取り除き、丁寧に植えていきます。マルチシート張りや間引きは病虫害を最小限に抑え、野菜を大きく健康に育てるうえで重要なことだそうです。
8、9月の夏休みにも水やりをはじめとする農作業を行いました。右の写真は6月に植えた大根の様子。すくすくと育っています。
10月、黒豆と大根の収穫を行いました。左の写真は黒豆の皮をむいている様子。デリケートな野菜であるため丁寧に時間をかけて皮をむきました。
京つけもの「富川」での漬け物製作
いよいよ漬け物作りがはじまります。左の写真はゆず大根の製作過程です。大根を水で丹念に洗い流し、皮を向き、均等なサイズに切っていきました。
そしていよいよパック詰め。私たちが育ててきた野菜が漬け物となり、そして商品となっていく過程には感慨深いものがありました。ラベルも「京北りつけもん」のキャラクターを添えて立命館大学生がデザインしました。
また、近年の漬物製作では機械化が進められていますが、富川では全てが手作業で伝統的な制作工程が守られていることに驚かされました。
そして、今年からの新たな試みである10月28日の池袋西部百貨店での販売では、一般販売用に用意した150パックを1日で完売することができました。東京の方にも京漬け物に興味を持っていただくきっかけとなり、大変ご好評を頂きました。東京での販売の他にも右京区役所や龍安寺商店街でもご好評を頂き、2016年度からさらに、私たちの大切にしている「地産地消」活動を推進するきっかけを作れたと感じています。
右京のものと右京のものがくみあわされ、それが価値をうみ、つぎのとりくみを支える。こうしたことを地域の方々とともに生み出し体験した学生さんが、一番の成果ではないでしょうか。「京北りつけもん」、見かけたら是非こうしたことを感じてくだされば幸いです!