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コトハジメを聴いてみる ~7/18 篠澤俊一郎さん~

第3回は緊急事態宣言が解除され,初めて区役所会議室においてのリアル開催となりました。
ゲストは教会に水槽を置いて,世界の淡水魚180種を展示する水族館をつくってしまった篠澤さんです。

花園教会の牧師を継承した篠澤さんは,最初から水族館を目指していたわけではありません。
子どもとザリガニ釣りをして水槽に入れて展示していたら「生きた魚を見るのは初めて」という子どもがいて,身近に貧困が存在することを実感し,それから徐々に生き物や水槽を増やしていったそうです。
そのうちにカミツキガメの保護を頼まれたときに,特定外来生物の飼育には水族館である必要があることがわかり,環境省・農水省から水族館の認定をもらったそうです。

生き物が増えると同時に,子どもたちも集まってきて,子ども会が始まりました。「子どもが子どもに楽しさを教える」ことが会の特徴で,大人が教えるよりも共感が生まれやすいそうです。
子ども会は,いわば家庭以外の子どもの居場所となっていますが,水族館が呼び水になり子どもたちが教会という場所にやってくるというように,教会を身近なものとして感じてもらう大きな役割を水族館は果たしているようです。

さて,そんな篠澤さんですが,お父さんがプロテスタントの牧師さんだったから跡を継いだという単純な話ではありません。
同じキリスト教同士でもプロテスタントとカトリックで戦争をしているアイルランドの例を知り,カトリックのことも学びたいと大学は上智大学に進学,牧師になるための勉強をするも,同時に立ち上げた事業が忙しすぎて病気に,そして京都に来て花園教会に寄宿していたところ,子どもを授かったことで就職を決意。なんと50社の面接に落ちるものの,ゲーム制作会社に就職。やりがいはあったけれど,時代はゲーム機からスマホになり,せっかく作ったゲームが遊んでもらえる期間はどんどん短くなることに疑問を感じ退職。そんなタイミングで花園教会が後任の牧師を探していたという縁からの牧師就任でした。

篠澤さんは同級生よりもだいぶ遠回りしたとおっしゃいますが,山あり谷ありの人生のエピソードは全て,現在につながっているのも事実です。
いろんなことを「自分の目で確認したい」とおっしゃるように,思い立ったら自分でやってみたり行ってみたりして確認するというのが篠澤流のコトハジメでありススメカタなんだろうと理解しました。

インタビューの後は4人ずつで話し合う時間を取り,質疑応答の後に,席替えをして再度意見交換をしました。

「自尊心を高めることが大事だと思った」
「失敗したとしても,次の行動のための経験に変えていくのがすごいと思った」

参加者には今度の進路や就職について考えている大学生も多く,篠澤さんが強調していた「とりあえずやってみる」という姿勢は,一歩進みだす後押しになったようです。


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