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【ミライインタビュー】~第5回 筒井孝俊さん~

京都市が推進する「真のワーク・ライフ・バランス」。

仕事と家庭生活の調和に加え,地域活動や社会貢献活動に積極的に参加することで,生きがいと充実感を持って心豊かな生活を送るというもの。

 

その上をいく「真のスタディ・ワーク・ライフ・バランス」を体現する男がいる。

立命館大学産業社会学部2回生(取材当時),右京区在住の筒井孝俊さんだ。

 

「「学生の生活じゃないよね」と言われます。「大学生ってそんなに忙しいんだ」とか。」

 

彼の生活と頭の中をのぞかせていただいた。

日々に学ぶ

「自分で言うのも何なんですけど,割とマジメなんですよ。あまり勉強に熱心でない学生もいますが,しっかり勉強して入学したし,学費を自分で払っているし,きっちり勉強したい。バイトは3つ掛け持ちしています。」

苦学生タイプかと思いきや,彼に暗さはない。

「バイトは結婚式場,しゃぶしゃぶ屋,フレンチレストランなんですが,同じホールの担当でも接客の仕方が全然違う。元々は友達の紹介だったんですが,それぞれに楽しさを見出しています。」

やむにやまれず3つのバイトをこなしているのではない。単にお給料のためだけではなく,「3種類」ということが彼の原動力になっているわけだ。

 

勉強のほうは?

「「まちづくり」がテーマのゼミなんですが,特に「人のつながり」や「信頼関係」を大切にしているゼミなんです。地域の役に立ちたくて少年補導委員をやっているので,その延長線上で考えるとぴったりで。色々な人と関わるのはおもしろい,色々な話が聞けて。もっと人と関わりたいですね。だからこのゼミを選びました。」

「損得」ではなく「楽しさ」を基準にする

それでは,バイトも授業もない休日はどのようにお過ごしなのか。「少年補導委員」というキーワードをお聞きしたが。

「少年補導委員の活動は高校3年生くらいから始めて,子どもたちと餅つきをしたり,夏祭りの準備をしたり。子どもの成長を見守る立ち位置だと思っています。そうすると,子どもの頃「なんでそんなことで怒られるんだろう」って思っていたことの理由というか,親や先生の目線が理解できました。」

これが,筒井さんの「忙しさ」の正体でもある。

つけ加えるとすれば,「ハンドボールサークルに入っています。」

 

筒井さんのように,地域活動に取り組んでいる若者は決して多くはない現状だ。

「「それってお金出るの?」って言われる。「なんでそんなことをやっているの?」とか。バイトだって,やりたいかどうかじゃなくてお給料さえ貰えれば,って感じで。楽しいと思うんだけどな,地域活動。ヘロヘロになって家に帰ってきても無駄な時間を過ごした気にはならないし,あー楽しかったなって。楽しいってことが分かってもらえれば,活動する人が増えるのかもしれない。」

人と関わる中で見つけたこと

これまでお話をお聞きしただけでも,筒井さんがいかに「人と接すること」が好きなのかが理解できるが,昔からそうだったのだろうか。

「昔は人と関わるのは苦手でした。だからバイトでも洗い物ばかりしていたけど,「洗い物はせんでええから人と話せ。話すことの大切さを感じてこい」って店長に言われて。初めは何を話せばいいのか悩みましたが,話すようになってからは色々な人から学ぶことがあった。相手が考えていることも分かってくる。見える世界が変わって楽しかったんです。」

 

そんな筒井さんの将来の夢が気になるところ。

「市バスの運転手になりたいです。人にやさしくできる運転手になりたい。ごく短時間の関わりでも人を惹きつけられれば,市バスのイメージも変えることができる。そこに魅力を感じているのかな。」

さらにもうひとつ夢を語ってくれたのだが,今は触れないでおこう。

次は…

さて,ここまできたら聞かないわけにはいかない。恋人は?

「彼女はほしいですよ。だけど,現状でもやりたいことがありすぎて,すべてを深く掘り下げられていないと思っていて。もしかしたらやることを減らさないとだめかもしれない。そのうえ彼女ができたら,減らすどころか半分にしないとだめかもしれない。やっていることのクオリティを下げたくないので。」

ストイックなアスリートのような答えが返ってきた。

「…いや,彼女ほしいですよ(笑)」

筒井さんなら,きっと「真のラブ・スタディ・ワーク・ライフ・バランス」も実現できるはずだ。

 

=終わり=


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