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丹波音頭を継承する方々にインタビュー! 後編

後編の前に…

前回,京北地域に伝わる丹波音頭を継承しようと活動される,
丹波音頭保存会と丹波音頭を踊る会の立ち上げまでの道のりを紹介しました。

 

まだ見てないな,と言う方は前のレポートをチェックしてみてくださいね。

前編はこちら

 

後編では,丹波音頭を踊る会の活動から紹介していこうと思います。

 

自由な輪を楽しむ

活動内容を聞いていると,決まった型はあるものの,どんな風に踊っても良し,
いつ入っても良し,いつ抜けても良し…と自由なスタイルで練習会を開いているそう。

 

岡本さん「楽しそうやな私も踊りたい,と思ったら音頭の輪に入ってもらって,ちょっと疲れたし休みたいな~と思ったら抜けて腰を下ろす,そのくらい自由にやっています。」

 

黒川さん「参加しやすい場にしたいので,踊っているときドアは開けっ放しにしています。閉めていると入りにくいと思ったので…。あとは月に1度の練習日を公開して,来れるときに来てもらうスタンスでやっています。」

 

きちんとするところ,自由なところの両方を大切にすることが踊る会のスタイル。

できる限り,踊るまでのハードルを下げて活動をされているそうです。

 

入りやすくてハマりやすい音頭

歴史や団体発足までの物語をお伺いし,私は皆さんが熱く語る「丹波音頭」そのものが気になって仕方ありませんでした。

「ズバリ,丹波音頭の魅力って何でしょうか?」素朴な疑問をお二人に聞いてみました。

 

岡本さん「老若男女みんなで楽しく踊れることです。あと,音頭で歌っている浄瑠璃の物語の奥深さです。私は音頭を習い始めて5年目ですが,4年目くらいから物語の面白さに気づきました。そこからより一層,丹波音頭にハマってしまいました。」

 

黒川さん「踊ってみたらきっと楽しさが分かってもらえるはず。だから,入ってきやすい自由な輪を大切にしています。あと,京北地域はコミュニティの場がどんどん減ってきています。
丹波音頭はコミュニティの場としても,こんな良いものはないと思うので,色んな人に参加してもらいたいなと思っています。」

 

参加してしまえばハマってしまう丹波音頭。

だからこそまずは,知ってもらうところから…ということで,ホームページやFacebook,

Instagramで情報発信をしているそうです。

 

保存会 久保さんの熱い思い

かくして後継のために踊る会が発足され,活動をされている現状を保存会の方はどう思っているのでしょうか。

1度目の衰退の危機の際に発足された丹波音頭保存会に,
現在所属される久保義嗣さんにお話をお伺いしました。

 

25歳の時,地元下中の盆踊りに参加した久保さんは,地元の踊りに音頭取りがおらず,
隣の地区に頼んで音頭取りを呼んだり,テープレコーダーで音頭を流したりする様子を見ました。
これを見て「僕も音頭を覚えよう。」と思い,地元公民館の講習会に参加するようになったそうです。(※1)

 

そこからは音頭を夢中で覚えたそうで,
今現在も音頭の練習にあたって色々と工夫されています。

 

例えばこれは,久保さんがエクセルで作成した譜面です。
すぐに音頭が思い出せるように,自己流で作成されています。

 

久保さん「踊る会の人たちが,こうやって色々と動いてくれることは本当に嬉しい。一度消えてしまった伝統は復活することが難しいので,私が生きているうちに今ある音頭を残していきたいので…。」

 

踊る会の活動と丹波音頭をとても嬉しそうに,楽しそうに語っていました。
先生として丹波音頭を教える久保さんは, まだまだ音頭の更なる高みを目指しているそうで…,

 

久保さん「もうよい年齢(76歳)ですが,まだまだ学ぶことはたくさんありますし,もっと成長できると思っています。」

 

と目をきらきらとさせて語っていました。
踊る会の方に負けず,向上心を持って練習に励んでいます。

 

 

「何とかしないと。」そんな思いから発足された保存会と踊る会。

スタイルは違うものの,楽しく踊ることを大切に現在も練習されています。

おわりに

「子どもの頃参加していた小学校の盆踊りってまだやってる?」

突拍子もないこの台詞は,私自身がインタビューした日の夜に両親に聞いたものです。

 

父からは「コロナで去年はできなかったけど,まだやってるよ。」と言われました。

お三方の熱い思いを聞いて,私は熱冷めやらぬ中,地元の盆踊りを思い返していました。

 

 

丹波音頭の魅力に惹き込まれ,もっと上手になりたい,
もっと知ってほしいと活動を続ける保存会の久保さん。

 

地域に当たり前のようにずっと存在していたものが,
無くなることに危機感を覚え,踊る会を発足し,色んな人に音頭の魅力を知ってもらおうと
活動を続ける岡本さんと黒川さん。

 

伝統と聞くと,とても敷居が高く聞こえてしまいがちですが,これはたくさんの人の様々な思いによって続く,地域の誰にとっても身近なもの,であると私は感じました。

そして何より,これだけの思いを持てる,誇れるものが自分の住んでいる場所にあるって本当に素敵なことであり,羨ましいな…とも思いました。

 

 

皆さんの地域に根付く伝統,まずは知るところから始めてみませんか?

それはきっと,皆さんの人生により彩りを添えてくれるかもしれません…。

 

(ちなみに丹波音頭を踊る会は,練習にお越しいただける方であれば,

京北地域の方も,右京区内の方も,京都市内の方も参加OKだそうです(^^))

 

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参考資料

(※1)「ゼミ友の会だより」第148号(平成25年夏号,あうる京北発行)


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