参加者が実現したい未来を描き、そのための行動・活動を見つけていく対話の場、「右京コトハジメテラス」。右京かがやきミライ会議から第3期基本計画「みんなでつくる右京」に基づいて、令和3年度から右京区役所が開催しています。
第1回と同様に、2日にわたって開催するプログラムを、10月の金曜日夜に実施しました。
●1日目は、「コトハジメを聞いてみる」。様々な思いを持って活動する人たちのお話を聞いて、いろんな気づきや刺激をもらう時間です。
まずは、ゲストトークからです。
ゲストは、井上公子さん。福王子で多世代の居場所「ひこばえ」を運営されています(認定NPO法人 フォーラムひこばえ)。コミュニティセンター、児童館、放課後等デイサービス、就労支援事業者など、様々な活動を写真で紹介していただいた後、どんなことがコトハジメにつながったのか、区役所職員がインタビュアーとなってお聞きしました。
高校生の時に福祉の世界に出会って、その道を歩んできた井上さんは、かつては対象者の方のニーズをくみ取って色々やろうとしても、制度の壁にぶつかって実現できないもどかしさに悩んでいたそうです。
その中で、やりたいことを実現する方法として、何人かの仲間と学童保育をやりだしたのがきっかけだそうです。
インタビュアーからの「制度を活用して活動の幅を広げたのではないんですね」という問いに、井上さんは、「組織から求められる役割の下に動くのが苦手」という答えが返ってきて、びっくり。
今の活動は、ご自身の目の前の“対象者が求めるもの”を追いかけていった結果だそうです。参加者も、その時々に必死に動き回り、制度を調べて実現していった井上さんから、“パワフル”な印象の源を感じ取っていました。
インタビューの最後にお聞きした、井上さん流のはじめの一歩ですが、「組織で“うまくできない”自分への劣等感」があったとのこと。やりたいことをされているように見える姿の裏側には、マイナスの感情からつながった「はじめの一歩」があったんですね!
その後、参加者自身の「未来のわたしとくらし」を考える時間に移ります。
プログラムは、2日目の終わりにはそれぞれの未来が具体的になるように、小さな単位で物事を考えていくような展開になっていて、参加者の皆さんは、考える→文字に書くことを繰り返します。
「人に説明するのって難しい」、「自分ってこんなこと考えているんだ(笑)」、「一生懸命聞いてくれてうれしかった」、そんな感想が聞こえてきました。
「また来週、よろしくお願いします」と参加者同士でご挨拶。金曜日の夜に、充実した時間を過ごしていただいたようです。
●2日目は、一週間後の金曜日の夜。最初に、1日目に作ったワークシートを見ながら、どんなことを考えたのかを振り返る時間を取り、それぞれの未来像を少しずつ整理していきます。
整理する視点はワークシートに書いてあるので、1日目に行った、それぞれで考えてワークシートに書き込む→他の参加者に自分の言葉で説明してシェアをする、という流れを繰り替えして、参加者同士で、面白い!なるほど!を共有していきます。
さらに、整理したことを踏まえて、はじめの一歩を考えます。考えるときのポイントは、できそうなこと、楽しくできることを考える、だそうです!
たくさんのはじめの一歩を考えた方、整理していく中で1つのことが明確になった方、いろんな一歩がワークシートに書かれています。最後に、その中から「これぞ!な一歩」を発表してもらい、さらにコトハジメテラスに参加した感想をお聞きました。
参加者の方々から、申込み時にお聞きした参加の動機では、
・右京区をよく知らないので何か学びたい。
・外国人として京都生活の感想を交流したいし、地元の人と話したいし、自分の日本語能力も上げたい。
・居場所づくりの方法や秘訣を聞きたい。
・今回のイベントを通して「京都で暮らす」という事を普段から深く考えることを意識をづけたい。
など、様々な期待を寄せていただきましたが、いろいろな立場・経験のある方々との話し合いがとても有益だったという方、自分を見つめ直し人の考えを聞いて実りのある時間となったという方、先週の自分と今週の自分は少し違うところもあっておもしろかったという方など、良い時間を過ごしていただいたことをがうかがえる感想をいただきました。
令和4年度のコトハジメテラスの参加者からも、新しい活動が生まれそうな予感がします。皆さんもぜひ、はじめの一歩を考えてみましょう♪