「右京ファンクラブ」の「右京M-1(まちづくりワン)グランプリ」受賞者レポート記事第二弾です。
優秀賞を獲得された「NPO 法人地域共生開発機構ともつく」を取材いたしました。
クリエイティブハウスともつく
NPO 法人地域共生開発機構ともつく拠点、嵯峨観空寺岡崎町にある「クリエイティブハウスともつく」へお邪魔しました。
すてきな純和風の邸宅。赤いイーゼルがよい目印になっています。
お若い方々が、敷地内を熱心に黙々と掃除をされており、温かく声をかけてくださいました。
中へ入ると、楽しそうな笑い声が響いています。
「あら、いいやんか」「これでいいんやろか」・・・
広々したリビングで、テーブルを囲んで老齢のご婦人方がクリスマスカードづくりの真っ最中。
「私はそんなにおしゃべりする方ではないんですが、皆さんのお話が楽しくて、毎月通っています」とAさん(90代)。
奥のお部屋には、慣れた手つきでおもちゃの修理をする男性陣。「おもちゃ病院」から月1回出張してこられる
「お医者さん」たちです。
「おもちゃ病院開店です!」の声に、壊れたおもちゃを大切そうに抱えて「来院」する人々。
「ネットで『おもちゃ 修理』で検索したら、たまたま近くて、初めて来ました。子どもものんびり過ごせて、こんな場所があったんですね」とうれしそう。
『ともにつくる』で『ともつく』
ともつく理事長である河本歩美さんにお話を伺いました。
「健康な人はもちろん、障害をもたれている人や高齢者など、全ての人たちが地域社会で力を発揮し、役割を担いながら生涯現役で生き生きと共生していける社会を作りたいと思っていました。こちらの家の持ち主から『是非両親が住んでいたこの家を多世代が集える場所として地域の為に使って下さい』という話を頂き、2019年に活動を始めました。まずは月2回、集える場としての活動を開始。人が人を呼び、今では毎回10人から15人のご高齢の方が集まってくださっています。参加してくださっている方が、近隣のバス停で新規参加者をスカウトされたこともあります(笑)。」
若者も集う
クリエイティブハウスともつくは、学生など若者のシェアハウスとしても貸し出しておられるとのこと。先ほどからせっせと掃除をしていたり、あちこちで見かける若者の謎がとけました。
同志社大学出身で社会人1年目のアソボロジー(遊び心と好奇心の発信基地)パートナー 阪本龍海さん
「この家に暮しながら、たくさんの方と関わりあえる。鳥のさえずりを聴きながら、ここでの生活を満喫しています!」
ワンコインお昼ごはん
台所から漂うおいしそうな香り。
「お昼食べる人~」「500円お願いしますね~」とスタッフさんの元気な声かけ。出来上がった昼食をみんなに配り始める子どもたち。
右京M-1の応援を活かして活動充実!
河本さん「私たちは、こちらに通って頂いているご高齢の参加者が、受け身の立場から発信する側へと変わることができるような活動を推進したいと考えています。その一環として、参加者の皆さんが自らの能力を発揮できるような就労的活動を拡大していきたいと思っています。具体的には、箱折りやラッピング、裂織り、カフェの運営などに取り組むことです。また、新たに絵本の読み聞かせ講座も開始しました。私たちは、どんな年齢の人も地域社会で活躍し、社会とのつながりや役割を持ち続け、生きがいを感じられる社会を目指しています。今回いただいた活動資金の応援は、クリエイティブハウスともつくのキッチンの改修に充てさせていただきます。」
絵本読み聞かせ講座参加者には、修了証が授与されます。
レポーター感想
取材にきているからと、特別扱いされることもなく、みんな自然に接してくださる…。親戚が集まってワイワイと賑やかだった、実家の盆正月を思いだしました。
ゆったりしたペースで、着実に一歩ずつ。
クリエイティブハウスともつくは、温かくて穏やかなのに、活気がありました。
「右京の未来につながる居場所づくり」の現場にふれ、ワクワク楽しい一日でした。
【クリエイティブハウスともつく詳細】
所在地:京都府京都市右京区嵯峨観空寺岡崎町15-8
毎月第1・3日曜はともつくカフェを開催。地域の方々の交流の場となっています。また、様々な季節のイベントや、ものづくりイベントも開催中。
詳しくはホームページをご覧ください。
https://www.tomotsuku.net/information
https://www.tomotsuku.net/information